2018年1月23日火曜日

内田百間『御馳走帖』

先月人に頼まれてイラストレーションを描いた。
小さい頃から絵を描くのは好きだったが、きちんと勉強したわけでもない。当時読んでいた連載漫画を写していただけだ。美術を専門とする大学があることは知っていたが、特別な人が進む場所だと思って見向きもしなかった。広告の仕事をするようになって絵を描くようになる。はじめのうちはうまくもないくせにうまく描こうとして下手な絵ばかり描いてきた。あるときふと気がついて、もともとうまくなんか描けっこないんだから、思い切り下手に描こうと思った。その努力の甲斐あって、今ではすっかり絵が下手くそになった。
それでも絵を描いてくれませんかなどと頼まれる。僕が長年たずさわってきた業界では絵の描ける人と描けない人がいて、圧倒的に後者が多い。絵の描ける人のうち大半が上手に描ける。絵が描けて下手な人はそれほど多くない。きっとそんなわけで需要があるのではないかとおぼろげに思っている。
イラストレーションを担当した仕事はブリックライブというレゴブロック遊び放題のイベント告知のためのものだ。昨年に続いて今年も各地で開催される。メインビジュアルを新しくしてさらなる集客をはかろうということらしい。そんなことを言われてもたくさんのお客さんを集めるような絵なんか描けるわけがない。とはいえ人に頼まれたりするのはきらいじゃないからほいほい、ちょいちょいと描いてみた。
阿呆列車以来、百間先生のファンになった。
なれなれしく先生などと呼んでいるが、できることなら先生のように列車に乗って、小鳥を飼うかは別としても、好きなものを食べて、お酒を飲んで暮らしたいと思っている。そのためならお昼はもりそば一枚でいいとも思っている。現実的にはもりそばだけではちょっとさびしいのでかき揚げをのせるとか、玉子とじにするとか、カレー南蛮にするとか自分なりに工夫したい。
小泉堯史監督の「まあだだよ」をもう一度観たくなった。

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